多嚢胞性卵巣の妊娠可能性、治療、漢方
多嚢胞性卵巣症候群は不妊、特に排卵障害を起こして妊娠を妨げる原因となります。多嚢胞性卵巣を治療するには排卵誘発剤を使用して排卵促進させるか、腹腔鏡を用いてレーザーで穴をあける外科的手術を行います。その他漢方で治療することもあります。
多嚢胞性卵巣の妊娠可能性
多嚢胞性卵巣症候群は妊娠を妨げ、不妊の原因になります。多嚢胞性卵巣の女性のうち7割は不妊になるという結果もあります。超音波検査で観察すると卵巣の表面に直径5〜10センチの小さな袋(嚢胞)の重なりが見えます。卵巣の中になる卵胞がある程度の大きさまでは成長しますが、それを超えると成長が妨げられ、排卵しづらくなって排卵障害の原因になります。
検査方法は、黄体形成ホルモンや男性ホルモンの濃度を測定するために血液検査などを行います。また、超音波検査でもわかります。
多嚢胞性卵巣の原因は、ホルモンバランスの崩れ(男性ホルモンが増加)、卵巣代謝の悪化、肥満などといわれていますが、明確には分かっていません。多嚢胞性卵巣の場合、基礎体温が乱れたり、月経不順、排卵があったりなかったりします。
多嚢胞性卵巣の治療
多嚢胞性卵巣症候群の治療法は、ホルモン治療と外科治療があります。ホルモン治療の場合は、妊娠希望の女性に対して排卵誘発剤を使って卵胞の発育を促して排卵を促進します。具体的には排卵誘発剤クロミフェン・クロミッドをサイクル2〜6日の間服用します。これで8割の女性は排卵をおこします。この方法による半年の妊娠確率は45〜50%と言われています。
外科治療としては、全身麻酔をしたのち、腹腔鏡を用いてレーザーで卵巣の表面に小さな穴を多数空けて、卵巣を刺激させ、排卵を促します。この治療の1年後の妊娠率は6割から8割で、特にまだ不妊の時期が短く(3年以内)でホルモンの量が高い人に効果的だとされています。
多嚢胞性卵巣の漢方薬
多嚢胞性卵巣は漢方で治療する人も多いのです。一度、多嚢胞性卵巣の外科的手術を行った場合でも、半年程度で穴がふさがってしまうことが多いので、最終的に妊娠に至らなかった場合は漢方に頑張ってもらおうということです。漢方の考え方によれば、多嚢胞性卵巣は、痰湿(汚れた水)とか淤血(よごれた血液)といった体内のよごれが卵巣のまわりにこびりついておこると考えられます。 このため、痰湿や淤血をとりのぞいて卵巣の殻を柔らかくして、自然に排卵させるようにします。
早い人だと1か月程度で排卵にいたる場合もありますが、平均すると半年以内で排卵するようです。実は多嚢胞性卵巣はインスリンと関係があります。インスリンが多く分泌されると、排卵しにくくなります。インスリンが多くならないように、普段から繊維の多いものを食べる、GI値の低いものを食べる、おやつには甘い物を食べないなど、血糖をコントロールする事も大切です。
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