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OHSSの症状

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)は、卵巣が過剰に刺激されることによって卵巣が膨れ上がって、腹水や胸水などの症状が起こることです。OHSSは不妊治療における排卵誘発剤の投与によって過剰に卵巣が刺激されることが原因です。とくに多嚢胞性卵巣症候群(PCO)の人はOHSSになりやすいようです。 クロミッドやクロミフェンで発症することは稀ですが、hMG-hCG療法で発症しやすいといわれます。 自分で認識する症状としては、
・お腹が張る
・腹痛や腰痛
・急激な体重増加
・吐き気
・尿量減少
・下痢
・息苦しさ

などがあります。その他、自分では気づきませんが、病院にいくとわかる症状として、

・卵巣腫大
・腹水の貯留
・ヘマトクリット値45%以上
・血圧が低下
・白血球数が15000/mm3以上
があります。OHSSが悪化すれば肝機能低下、点滴、入院するケースもあります。特に危ないのが血液の濃縮による血栓症です。これが脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの生死にかかわる問題へ発展しかねません。絶対安静が必要です。

OHSS中の妊娠すると症状が悪化?

OHSS中に妊娠すると症状が重たくなります。hCGは卵巣を刺激するホルモンですが、この注射後に卵巣が腫れOHSSの症状が出ます。体外受精で移植後、着床しなければこのhCGの値は下がりますので、OHSSが和らぐといわれますが、もし着床していればhCG濃度が高まり、OHSSがひどくなるのです。お腹が張り、お腹の痛みも強くなり、体重が増加するというケースはよくあるようです。ただし妊娠3か月〜4か月ごろ胎盤が形成されてくるとOHSSの症状も落ち着き、痛みや腫れも引いてくるようです。

OHSSの治療

OHSSは適切な治療を施していれば危ない症状ではありません。しかし病院へ行かずに放っておくと、血栓症などになり命の危険が出てしまうこともあります。

あらかじめOHSSになりやすいケース(多嚢胞性卵巣症候群でhMG-hCG療法を行うなど)は、LH(黄体刺激ホルモン)を含まないFSH製剤を投与したり、OHSSの初期症状がでたら、その後のhCG注射を止めたりします。すでに血中濃度が高値(4000pg/ml以上)になっている場合は、その周期での妊娠成立をさけるため、胚をすべて凍結保存して、別の月経周期に胚を解凍して移植するといった方法を採用するなどしてOHSSを予防します。

重症化したOHSSでは、血液濃縮を改善する必要がありますので、入院管理のもとに水分管理(重症度によっては水分摂取を制限することもあります)と塩分制限(8g/日)を行い、アルブミンを大量投与することで、血管内の浸透圧を上昇させ、血管外の水分を血管内に引き戻すことが試みられます。ある程度、血液濃縮(ヘマトクリット値40%以下)が改善されたら、利尿剤などを用いて正常な尿量を確保することになります。これと並行して血栓症の予防のためにヘパリン(10000単位/日)が投与されたりすることもあります。

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