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抗精子抗体の症状・治療

抗精子抗体は、頸管粘液、子宮膣、卵管内に出現する抗体で、精子の表面に結合して精子の動きを止めてしまいます。ヒューナーテストや血液検査で抗精子抗体があるかないか判定できます。(ちなみに抗精子抗体検査は保険がきかないので5千〜1万円程度かかります)男性側の精液検査の結果が基準を満たしているにもかかわらず、ヒューナーテスト不良の場合は、まずこの抗精子抗体が疑われます。

抗精子抗体が陽性の場合でも妊娠が不可能というわけではありません。抗体価(抗体の強さ)が低い時(3〜4%)には人工授精で妊娠の可能性があります。具体的には精子を洗浄してから再び子宮に戻すという方法になります。非常に抗体価が高い場合(20%以上)は、体外受精や顕微授精で妊娠可能性があります

抗精子抗体を持っている人は自覚症状がありません。血液検査で診断されるまで抗精子抗体を持っていることすら気付かない場合がほとんどです。これまで妊娠経験があった人も突然抗精子抗体反応が陽性になることもありえます。抗精子抗体は精子を外部からの異物とみなして攻撃し排除してしまう抗体で、一種のアレルギーです。したがってアレルギー体質の人に多い傾向があります。

抗精子抗体 原因

なぜ抗精子抗体を持ってしまうのか原因は分かっていません。アレルギー体質の人はなりやすいリスクが高いとはいわれています。そして抗精子抗体が不妊の原因になることは明白です。

しかし、不思議なことに、抗精子抗体が強陽性の女性が1回の体外受精で妊娠した例が多いのです。抗精子抗体の存在は、受精にはマイナスですが、いったん受精すれば着床に対してはプラスに働くのではないかという考えもあるようです。いずれにしても、抗精子抗体は抗体価の変動が激しいので、強陽性が出たとしても落胆しないことです。

ホルモン基礎検査(低温期)

採血によりホルモン量を測り、分泌異常を発見します。生理開始後 7 日以内に行います。

頸管粘液検

排卵の 2 、 3 日前に子宮頸管の粘液を採取して検査します。排卵の有無や排卵日がわかります。

超音波検査

超音波で子宮や卵巣の状態を検査します。

ホルモン基礎検査(高温期)

採血により、ホルモン量を計測します。黄体機能の異常を発見します。排卵後 5 日〜 10 日目に行います。

フーナーテスト

排卵日セックス後、 12 時間以内に子宮内の精子数を調べます。精子の進入度、頸管粘液との相性がわかります。

クラミジア検査

クラミジア感染の有無を調べます。生理日以外ならいつでも検査できます。

子宮卵管造影検査

子宮口から卵管にかけてX線撮影(クリニックによってはX線を使用しないで薬剤を使用するところも)します。子宮の奇形や卵管のつまりがわかります。軽い癒着なら、検査によって開通して治ることもあります。 卵管造影検査は通常痛みを伴い、女性に身体に負担がかかる検査ですが、クリニック次第といえます。卵管の通りが良好な場合、痛みを全く感じない人もいます。 卵管造影検査後3か月から6か月は卵管の通りが特に良くなるため、自然妊娠がしやすいゴールデン期間と言われています。

子宮内膜検査

子宮内膜の一部を採取して検査します。排卵後 5 日〜 10 日目に実施します。

男性側の検査 精液検査

4,5 日の禁欲後、精液を採取し、精液量、精子数、運動率、奇形率、死滅率などを調べます。

不妊治療 タイミング療法・確率

不妊症かもしれないと思って病院を訪れて、初診の検査が一通り行われ、異常がなかった場合、通常最初に行なわれるのがタイミング療法です。不妊治療のタイミング療法とは、その名前の通り排卵の周期を基礎体温表で確認し、排卵のタイミングに合わせて性交渉を行なうことにより自然妊娠を目指すというものです。

一般に、卵の寿命は12〜14時間精子は女性の体内では24〜48時間受精能力があります(実際にはもっと長い精子もいる)といわれています。従って、最終低温日の2日前〜体温上昇日の1日目までが妊娠する可能性があるということになります。もちろん排卵日が1番いいに決まっています。排卵日を知るには基礎体温表をつけるのが1番です。低温相の最後の日が排卵日です。周期の一定している人、陥落日といって排卵日にぐっと体温が下がる人は予想しやすいです。 (基礎体温が上昇し始めると頚管粘液量が急激に減少するので、妊娠率は低くなります。)

不妊治療の中でも一番最初に行なわれる治療法で、ただ単に排卵のタイミングと性交渉のタイミングがずれていたために妊娠に至っていなかった場合などは効果がある治療法です。不妊の原因に内分泌的な原因も考えられる場合には、タイミング療法単独ではなく排卵誘発剤のクロミッドなどを併用して治療を行なうこともあります。

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