男性不妊の治療・検査
男性不妊の検査はおもに視診・触診及び一般精液検査を行い基準値を割った場合は造精機能障害の治療に移ります。健全な精子がごく少数でも生成されていれば体外受精によって妊娠が可能です。最近では体外精子形成培養法などの最先端技術も発達しています。
男性不妊の治療
炎症や感染症による原因が判明した場合は、投薬治療などによって自然妊娠が可能になるケースもありますが、男性不妊のおよそ9割を占める「造精機能障害」の殆どが原因不明であり、現在の医療においては根治させる治療や薬剤はありません。男性ホルモン欠乏による場合は人工的にホルモン剤を投与し改善を試みますが、長期的な投与は逆に造精機能を著しく悪化させてしまうため、継続的に投与を行うことが決して効果的であるとは言えません。
このような事情から、男性不妊に悩む多くの方は体外受精や顕微授精などの高度な生殖補助医療に進むことを余儀なくされています。また、生殖補助医療を受けるためにも精子の採取が必要になりますが、この場合においても、数少ない精子の中から辛うじて状態の良い精子を選び出して、治療にトライしているという極めて厳しい状況下にあります。
造精機能障害の治療
造精機能障害とは、すなわち精子減少症、乏精子症、精子無力症、無精子症のことです。ビタミン補給、酵素活性剤、末梢循環増強剤、漢方薬や性腺刺激ホルモンの注射など、精巣の薬物刺激療法などによって機能活性化を測ります。無精子症の場合でも、薬剤による精巣刺激療法で精子が造られることがあります。
精巣内に精子が1匹でもいれば、それを取り出して体外受精に持ち込めるのですが、全く精子がいない場合の治療は非常に困難です。しかし完全に方法がないわけではありません。精子には3つの機能を持っています。1つは遺伝子(染色体23本)、2つ目は運動性でこれはシッポの部分にあたります。これがないと泳いで卵子のところまでたどり着けません。そして3つ目は卵子を活性化させる機能。細胞分裂がストップした状態にある卵子が受精してさらに細胞分裂が進むようにスイッチを押してあげる役割を持つのが実は精子なのです。精子が全く作られない男性でも、精子の核となる細胞が作られていることがほとんどであり、あとはこれらの機能を人工的に補ってやれば一人前の精子に育つ可能性があるのです。これを体外精子形成培養法と呼んでいます。
ED勃起不全
勃起不全には、勃起に関係している神経系の異常や、海綿体に血液を送り込むための血管系の異常、その他内分泌系の異常、ペニスの形態異常などの原因があります。有効な治療薬としては、バイアグラ(平成11年3月に承認されて大きな話題になりました)があります。効果もかなり期待できます。
男性不妊の検査
視診・触診
男性器に奇形や異常がないかを目で視るとともにさわって診察します。精巣、精巣上体、精管などの硬さ、腫脹や、精索静脈瘤などの有無を調べます。精巣は長径が3.5cm前後、短径が3cm前後、また厚さは2cm前後が平均です。また日本人の陰茎の長さの平均は7.4cmで、5cm未満は性交に支障があります。
一般精液検査
採取した精液を20〜30分置いて液化させた後、色や量、または精子の濃度や運動率、奇形率などを調べます。基準値は別途記載。
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